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流れ流れて早幾年。いろんな役に立つサイトを紹介します。

軒先の余ったスペース貸し出しサイト、なにげに結構定着している「軒先.com」なぜか出版取次の日販と提携

軒先.com
http://www.nokisaki.com/
運営:軒先株式会社

2008年4月に立ち上げられた町のデッドスペースとなっている軒先を貸し出してくれる人と借りたい人を結ぶマッチングサイト。元ソニーSCEODA関連の財団など出身の社長が出産を期に創り上げた。元々世間に日貸し店舗自体は存在していたが、不動産業者を使っていなかったりしてわかりづらく、ものすごく高かったり、予約が取れなかったりするのが多く、予約が取れない→需要が非常に多く供給が追いついていないのでは?という考えから、サイトを作ることにしたようだ。最初の頃からそれなりに登録数があったが、最初のうちは本当に建物のちょっと余ったスペースが多かったし、やや素人向けぽい雰囲気もあったが、最近は顧客も店頭スペース出品者側も業者(=プロ)になりつつあるようで、店舗の駐車場などへの移動販売の出店募集が多くなってきている。

手数料は税別35%(2011年投稿時現在)借りる側のハードルは低く、貸す側の審査はそれなりにある

登録されたスペースへ予約カレンダーからカートへ入れて申し込み決済までできるような仕組みとなっている。物件登録自体はオンラインでできるが、本人確認書類、スペース確認書類、審査を経て公開される形によってある程度しっかりしたスペースであるかどうかが担保できるようだ。出店希望者側も、所謂個人・法人の身分証明書類、移動販売の場合もひと通りの書類を求める形で、移動販売以外は身分確認に留まっているが、物販、プロモーション、展示などの具体的な使用イメージも提案されており(下部で目立たないのはどうかと思うが)気になった物件へのアクセスは簡単になっているようだ。

第二ページのURLは非常に長くわかりづらいが、TOPへのアクセスだけあればいいのかなという雰囲気

サイトの内容からも運営者インタビューからもどちらかというと貸す側=物件数を増やしたいという意向が強いようで、どちらかというと借りる側に対するインフォメーションは少なめ。あとURLに関してはたとえば2階層目の借りたい側のURLが
http://www.nokisaki.com/Tool/HTML/View/Rent/index.html
となかなか深く、システム的にはどうなのかなあと思わないでもないのですが、ドンナメディアによるマーケギア調査データの推計では、だいたい260,000PV/月(投稿時現在)となっているようだ。ニッチジャンルとしては多いと見るか少ないと見るかの判断は難しいが、もっと各ページへのアクセスがしやすい作りになっていれば、という気はする。マップとカレンダーの読み込みが時間がかかることと、わりと適切な地図サイズで出てこないところがあるので、そのへんはもったいないなあという気はする。サイトパフォーマンスの部分と、もっと顧客側サイドへの説明や夢を感じさせる表現があるのであれば(初期の頃はもっとあった!)もっと伸びしろはあると考えられる。

なぜか日販と業務提携、日販は書店の遊休スペース・駐車場を活用して貸出し、書店の収益を伸ばしてもらうビジネスを考えているようだ

現在、いわゆる全国で把握されている新刊書店の数もものすごく減っておりピーク時の半分程度だが、そういう出版不況が長く続く中、店舗数が減った分は大型の郊外店となっているのが書店の実情で、それらは最近は複合ショッピングセンター化していることも多い。異なるジャンルからの日貸し出店は、書店への来客導線にもなるので、取次としても対書店へのビジネス開発はメリットがあるのだろう。
ところで軒先側にはまったく関係のない話だが、日販は現在はCCCに手放しているもののかつては復刊ドットコムをやっていたし、そこで(旧ブッキング社)ちゃんねるボックスの2ちゃんねるTシャツの販売等にも関わっていたので、意外とWeb関連については柔軟な意識でやっていると思うのです。日販関連会社でマグデリ(和洋雑誌の定期購読専門サイト)等も運営してますし。

個人的希望…プロサイトになりつつあるので、かつての「普通」感覚を取り戻して欲しいなあ、と。

サイト構成があっさりとした変わりに人の顔が見えなくなってきている。もう少し夢を見せてほしい(活用者の例とかもっと紹介してもいいのではないか?)のと、かつてのような「普通っぽい」感覚のサイトに成長してほしいなあ、という点。とっつきが悪くなってると思うのですよね。軒先.comはホント初期の頃から見ているので、応援はしております。加盟スペースに(一部ですが)ステッカーが貼ってあるのも認知度に貢献していると思いますね。

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