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韓国系ビールメーカー、Hiteがなにげにだいぶ日本進出中

★まずHiteについて理解しよう

Hiteは韓国でNo.1シェアをもつビール(60%)。とはいってもあちらのビールは日本と基準が違うので、ライトな感じなのだが、日本にも最近数多くの韓国ビールが、第三のビール等としてPB(プライベートブランド)で進出し、隠れたシェアをものすごい勢いで獲得している。

第三のビール増税、現時点ではまだ検討中

あまりに輸入第三のビール類が元気なため、最近第三のビール増税論というのが起こった。これは韓国から安い輸入品が入ってきていて国内メーカーのシェアが低下しているからだ、ということで民主党系の議員が提案しているのだが、増税すると約9割は流通している国内メーカーのダメージのほうが多いのと、消費者の反発、雇用の低下等問題が山積みで、提案議員は諦めてはいないようだが、執筆時点ではまだどうなるかはよくわからないようだ。実際、現在、韓国系のリキュール類などのシェアは今年1〜9月で9%程度(時事通信記事による)。急伸長はしているものの、驚愕に思うほどまではいっていない。

★もともとはイオンPBは国産だったものがどこかに圧力をかけられて海外産になった、自業自得のビール業界

もともとイオンが国内メーカーでつくっていたPB商品としての第三のビールがバカ売れしてサントリーが躍進しそうだったところが(サントリーはビール事業は万年赤字)、国内他メーカーと流通がシェア一変を危惧し「国内の他のメーカーを圧迫する」ということからどこからかイオン側に圧力をかけ(たといわれているが実際は定かではない)、国産メーカーでの生産が出来なくなったので、やむなくイオンは海外開発へと切り替え韓国生産品(トップバリュー バーリアル等=初年度7200万缶目標=日経記事調べ)が徐々に入ってきているわけだ。今の増税論も国内保護目的でのメーカーサイドの潰しかと思ったが、増税はメーカーの思惑ではなく、単なる税収増のための思いつきのようで、既存メーカーからも反対があったようだ。日本の政治では、安価な第三のビール市場をさらに伸長させて元気にしようなどということは考えていないようであり、税が安いから売れてるんだ、だから単なる政治的な圧力でなんとかしようということは、せっかくの廉価商品開発力を後ろ向きに動かしており、まるで日本のビール関連産業を自滅へ歩かせているだけのようにも思える。

ちなみに、イオンの「バーリアル」の製造元は非公開だが、国際的な展開をしている業者はHite、OBなどだろうから、どちらかかと思われる(韓国のビールブランドでは他にCassもあるがOBが発売元)。

★OBビールの親元が経済的には結構な力のある会社らしい

Hiteばかりが入ってきているわけではなく、スーパーPBの製造委託先としてはOBビール(韓国2位)のほうが多いらしい。が、単純な2国間関係として見るのは間違いで、OBは世界No.1ビール企業(ベルギーのメーカー)の傘下にあり、日経(2010/8/30)は口を濁しながらも、背景にそれらの巨大企業の思惑の影を匂わせている。そもそもドイツビールメーカーを脅威として見ている辺りに、もちろんドイツビールはビールの基礎なので敬うべきではあるのだが、彼らが本気になったときが怖いと思っている、根本的な日本ビール産業の地盤の弱さを感じずにはいられない。

★いろんなブランド

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普通の人に馴染みのビン入りだが、最近は普通のスーパーでもテスト販売で入ったりしてきてる。現地Hiteの缶はなぜかあまり入ってこないのだが、それは正規流通でいろんなところにPBで入ってるからなのだろう。

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プライムドラフトはやはり製造はHite。発泡酒に麦入り焼酎を添加したもの。プライムドラフトグリーンは糖質半分カット版(リリースでは60%だったが、実際は50%になっているようだ)。プライムドラフト系はイオンなどの量販店系列のお店には入っていることが多い模様。バーリアルが出るまでは、プライムドラフトがトップブランドで、販売数量は250万ケースに達している。「本旨」も上のプライムドラフトと同じで川商フーズがHiteから輸入している。
他にも「ルミナス」などのラックでおなじみドウシシャが輸入しているものなど各社あるけど割愛。
僕はプライムドラフトのグリーンをよく飲みます。

★すっかり本物のビールを飲まなくなった日本の消費者が韓国産PBを選び始めた

日本のビールだと思って飲むと薄い印象だが、外国ビールの「Hite」が輸入されてきたものだと思って飲めばそれほど悪くない。消費者は別に安くて美味いものが飲みたいだけなので、無言で韓国産ビール類似飲料のリピーターは激増していることからみても、味としては受け入れられているといってよいのだろう。実際味としてはいくつか飲むとわかるが、売れてないブランドのものはまずいのもあるが、売れているブランドは日本向けに調整されているようだ。
マッコリや韓国焼酎のブームで抵抗もなくなっており流通網も整備されつつあるので、もちろんイオンやダイエーなどの後押しも大きいのだが、もともとこれらの飲料が受け入れられやすい下地は出来ていたということだろう。
圧倒的に安いので、一度飲んでみては如何だろうか。

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