あぼーんする出版社と原稿を返さない人
- 作者: 西村繁男
- 出版社/メーカー: 白夜書房
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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- 作者: 日本エディタースクール
- 出版社/メーカー: 日本エディタースクール出版部
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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こんなときは編集のほうももう少し作家サイドのことを考えたほうがいいとは思う。
会社があぼーんしたところは気が利いた編集ならすんなりと帰してくる場合が殆どだが(原稿をおいておかれ、そのまま会社がなくなると回収に手間取る)、通常の出版社では、「移籍を恐れて原稿を返却しない編集、デジタルで自衛する作家」みたいな対立構造を作っている人が結構いるけど、資産にならない幽霊みたいな原稿がたくさんあってもそれは編集のエゴだし、歴史を見れば倉庫を掃除するころにはみんな転居していて原稿が返せなくなってシュレッダー行きにずいぶんなっていると思うのだ。編集は多分、今ここで出なくても弾数を持っていたいと思うのだろうが、そもそも作家と信頼関係を構築できないのはどうか。
漫画は作家にとっては自分の人生において主軸で、資産価値のある物であり、ある意味魂に等しいものがある。本が出せないならちゃんと原稿は返したほうがいいし、本を出しても版面がまとまって、デジタル製版データが残っているなら返すべきだと思う。
基本ルールと権利上の規定を書いた「漫画編集者の教科書」とかあればもう少し違ってくるんだろうなぁ。
僕としては漫画は少なくとも雑誌掲載から1年以上が経過しても明らかに単行本にならない時点で返却すべきものだと思うのだが、文字原稿の世界はまた事情が違う。
- 出版社/メーカー: アイシー
- メディア: おもちゃ&ホビー
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漫画原稿もかなりデジタル化されたり高品質な複写もあるので、最近は困ってないのかもしれないけど、半分程度はアナログで複製のないものをまだ貰っていると思うのですよ。オールデジタルになった日には、永久に編集が持ってようが困りはしなくなるのかもしれないですが。
ちなみに編集は原稿を無くしても製版データや本から起こしたりするので、製版のやたら汚い単行本を見たら雑誌から複写で起こしてベタ潰したと見ていい。